【キャリアの曲がり角は42.5歳!?】セカンドキャリア×ローカルインターンシップの意義
執筆者:Dialogue for everyone(株) 取締役 北村貴
セカンドキャリアっていつから使われているの?
日本でセカンドキャリアという言葉はいつ頃から使われ始めたのでしょう?
2002年、Jリーグが選手の引退後のステージフォローのため、キャリアサポートセンターを設置したという記述を見つけました。現在ではセカンドキャリアの対象は大きく広がり「第2の人生における仕事、キャリア」として特に中高年ビジネスパーソンの次ステージへのチャレンジに使われることが増えてきました。
現段階において、前述のスポーツキャリアとビジネスパーソンに共有していえることは「1つの場所(同じスポーツや1つの企業)でキャリアを積み上げてきた」という点です。それ故に「自分のキャリアはつぶしが効きにくい」と思いこみ、積上げてきたポータブルスキルに気づきにくい点や、ハイキャリアほど鎧が重たく、次のステージに進む際につまづきやすいという点も共通しているのかもしれません。
終身雇用制度の崩壊
現段階で…と前置きしたのは終身雇用を前提としない世代が増えてきているからです。 2019年5月に当時の経団連会長の中西宏明氏が、また、時をほぼ同じくしてトヨタ自動車の豊田章男社長が「終身雇用を前提にすることが限界になっている」という主旨の発言をされました。これをきっかけに、様々な企業・業種で社員のキャリア自律が叫ばれるようになってきたのです。
キャリアの曲がり角は42.5歳
パーソル総合研究所が2017年に行った成長実態調査(*注1)のデータによると、出世したいという人と、出世しなくてもかまわないという人の意識が逆転するのは42.5歳。
つまりここが「キャリアの曲がり角」と言えるでしょう。 またDODAの転職成功者の平均年齢調査(*注2)を見ると、平均は31.7歳。また転職成功者の年代別割合で40才以降は全体の14.6%に過ぎず、キャリアの曲がり角を過ぎたセカンドキャリア層には、非常に厳しい現状が待っているのです。
実は曲がり角以降の仕事人生の方が長い時代に
それでは今の会社にずっと勤め続ければよいのか?というと、そういうわけにも行きません。定年延長の企業が増えましたが、代わりに一定年齢に達した人が役職から退く制度「役職定年制」・「役職の任期制」を導入している企業は2017年段階で全体で39.8%、従業員1000人以上の会社では59.4%に上ります。 仮に22歳で就職したとして、42.5歳までの20年をキャリア充実期としましょう。
そのあと65歳まで働くと考えると、残り22.5年。実は曲がり角以降の仕事人生の方が長い時代に突入しているのです。
この後半のキャリア人生を充実したものにさせていくことこそが、実は私たちの人生を豊かにしていくこと、つまり、「セカンドキャリア」が重要と言われるゆえんなのです。
セカンドキャリア×ローカルインターンシップの意義
「そうは言っても、何から始めたらよいのかわからない」という方、圧倒的に多いので安心してください。もしこれがクイズだとすれば、答えを持っている人はまだまだ少ないのです。そして正解は人によって異なります。
私は地元北海道と東京の2拠点生活を初めて10年ですが、2005年・37歳で北海道にUターンし、大失敗を経験しました。地域の人とコミュニケーションが全く取れず「早く都会に帰れば?」と言われ、地域に貢献したいと思っているのに何故そんなことを言われるのだろう…と悶々とした日々を3年過ごしました。
そこでわかったことは、過去のキャリアに縛られている自分でした。
「今の自分に何ができるか、何ができないか」を洗い出し、知らず知らずに身にまとってしまった鎧(よろい)を捨て、本当のサイズの自分を見せられたとき、ようやく地域の人に受け入れてもらうことができた気がします。そこから私の人生は大きく変わりました。
自身の経験からローカルインターンシップを思いついたので、なんと構想15年です(笑)
地方が持つ豊かなライフスタイルと都市の生活やビジネスの経験・知見(ポータブルスキル)が組み合わさったとき、日本の田舎の価値は最大化していくと実感しています。
何より重要なのは、「地域と都市は対等である」という価値観です(とはいえ、入っていく側が一歩下がる方がスムーズですが(笑))。この対等な関係をいち早く作り出し、地域の課題と都市の経験を組み合わせ、新しい価値を生み出す喜びを共有する。この体験こそがセカンドキャリア層のみなさんに人生の目的やヒントを与えてくれます。
私の失敗からスタートした「セカンドキャリア塾」。
プログラムに参加し、ローカルインターンシップを体験いただくと、みなさんも人生変わっちゃうかもしれませんよ。
(北村 貴)
注1)成長実態調査2017(パーソル総合研究所)
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/column/201712140930.html
注2)【転職成功者の平均年齢調査】転職するなら何歳まで?年代別ポイントは(doda)https://doda.jp/guide/age/
注3)独立行政法人高齢者・障害・求職者雇用支援機構https://www.jeed.go.jp/elderly/research/report/elderly/65career_chousei.html
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