【イベントレポート】 DfE卒業生座談会 ~彼女たちの今、男女雇用機会均等法40周年にちなんで~

≪左から、宮寺さん(1期生)、伊能さん(DfEアドバイザー)、大桃(DfE代表)、代さん(8期生)、吉村さん(2期生)≫

男女雇用機会均等法が日本で制定されてから、2025年は40周年という節目の年。そこで3月某日、都内オフィスにセカンドキャリア塾の卒業生3名をお迎えし、プログラム受講後後の活動についてお話を伺う座談会(女子会!?)を開催しました。

聞き手は、弊社ビジネスアドバイザーの伊能美和子さんと弊社代表の大桃。伊能さんは1987年に大手情報・通信企業に入社された、いわゆる「男女雇用機会均等法第一世代」です。現在は、縦割りの部門や組織、会社の壁を超えて課題を共有し、ヒト・モノ・カネを結びつけ、連携・協働をプロデュースする「ヨコグシスト」として活躍されています。

集まった40~60代の女性5名で、「均等法後」の時代を、どのような価値観をもって働き、ライフステージの変化を経験し、今のライフスタイルに行きついたのか?それぞれの立場で今にして思うこと、今だから言えることを、女子会ならではのアットホームな雰囲気の中で存分に語って頂きました。

●宮寺由佳さん(1期生)
東京都出身。新卒で勤めたテーマパーク系の企業に22年勤務した後、セカンドキャリア塾を経て北海道十勝へ移住・転職。
現在は「一般社団法人十勝うらほろ樂舎」にて、地域一体の町づくりを支援する広報活動に従事。
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●吉村架輪さん(2期生)
東京都出身。就職氷河期世代で外資系の広告会社やプロモーション会社など転職を重ねる。
セカンドキャリア塾をきっかけに、WEBマーケターとして独立。
北海道(十勝)広尾町の「大森ガーデン」にて、EC販売、集客支援のインターンシップを経験。
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●代英理さん(8期生)
埼玉県出身。外資系IT企業で長年マーケティングに従事。競争と変化の激しい世界に身を置きながら、子育てや介護も経験。
セカンドキャリア塾では、宮城県丸森町の「マメムギモリノナカ」にて、ミツロウラップのECサイト支援のインターンシップを経験。
インターンシップインタビュー記事はこちら

セカンドキャリア塾に参加当時のキャリアの悩みとは?

代さん:
当時は24時間常に仕事にオンしている状態で、バランスに悩んでいました。子どもの成長や親の介護などもあり、悶々としていたんです。子育ては夫に頼めますが、介護は私でなければ出来ないことも多く、かつ突発事態が発生しがちです。いつも一番効率的な導線や時間配分を考えながら、仕事と家庭のマルチタスクをこなしていました。

宮寺さん:
前職は安定した会社で、仕事も充実していたのですが、40代になり、マネジメント試験を受けるように言われました。私はマネジメントに関心が持てず、モヤモヤして段々と他の場所を見つけたいと考えるようになって…。実は当時から十勝の「熱中小学校」に月1回通っていて、もともとこの土地に親しみがありました。セカンドキャリア塾を見つけた時は、なにか新しい一歩が踏み出せるような気がしたんです。

吉村さん:
私は転職を数多く経験してきたこともあり、企業に依存していては いけないと心のどこかで思っていました。かといってフリーランスはもっとキラキラした人がなるもの、という思い込みもあり、結局は転職を続けていたんです。セカンドキャリア塾を経験したことで、「独立」って自分にもできることなんだと思えるようになって…。インターンシップ先は十勝の苗の会社。母が農家の出身で私自身も植物が大好き。商品知識もあったので、営業やECサイトの支援をしたらすぐに成果が出て、自信がつきました。

インターンシップで得られたことはズバリ何でしょう?

代さん:
インターンシップ先の女性起業家・山下さんは、会社の中にいたら出会えなかった方。ワクワクしながら仕事に向き合う姿に触れて、仕事は「条件」ではないと気づきました。実際に環境を変えることは難しくても、オンラインをフル活用したインターンシップなら、半径5mの人間関係を越え、名刺を持たない人たちと繋がる経験ができるんですよね。今はフルリモートの会社で働いていますが、中1の娘からも「お母さんは変わった。話す時間も増えて、今の働き方でいてほしい」と言われています(笑)。

宮寺さん:
私は思いきって十勝に移住しましたが、人口5千人に満たない町で、社会が身近になりました。例えば、東京と違って、役場や議会さんは生活に直結した近しい存在ですし、飲食店さんや生産者さんとも接点ができ、自分も人や社会と密接に関わっているという感覚が持てます。今は十勝8割、東京2割の二拠点生活です。実は夫も札幌と東京の二拠点生活をしていて、東京に帰っても会えないこともあるんです(笑)。

皆さんが思いきって飛び込めた=一歩踏み出せた理由は何ですか?

伊能さん:
女性は自分でロールモデルを設定しがちですよね。それがコロナ禍を経て、「置かれた場所で咲きなさい」から、「咲く場所は自分で選ぶ」時代に変化しました。選択肢があることを知らなければ何も選べません。オンラインで地方や世界と協業できる時代が来るなんて、思ってもいませんでしたよね。

卒業生3人の共通見解:
一番の理由は、越境先がITフレンドリーであったこと。
オンラインで話すことに抵抗が無い/オンラインの中でも関係構築ができる/オンラインで仲良くなれる術を修得している、など、私たちをオープンに受け入れてくださる姿勢がありました。

吉村さん:
私はインターン先の商品知識があったことも成功につながったと思っています。一方、東京でのトレンドも伝えることができました。だから興味の延長のような感じで、セカンドキャリアって楽しい、やる価値があると思えたんです。自分のできることで社会に還元したい。でも65歳まで会社に所属して、そこから何かを始めようというのは難しいし、なんかもったいないです。今からやった方がいい。

伊能さん:
東京の大企業にいると、自分のクリエイティビティを直接発揮する機会は限られますよね。地方や中小企業にいると、全ての距離が近くて、やるべきことはすぐにリーチできます。「会社」のために働くのもいいけど、そろそろ「社会」のために働くというのもいい。

代さん:
私は今の会社もセカンドキャリアの第一歩だと思っています。これまでは大企業で働いてきましたが、小さい会社の方が自分の裁量は大きいし、化学反応が見えやすくて、動きやすいと感じています。セカンドキャリ塾のワークで、タニモク(他人に目標を考えてもらう)に取り組んだ時には、ITに固執せずに、好きなこと・ワクワクすることに取り組めばいい、と気づけたことも収穫でした。

今、地方都市や企業の課題解決に必要なことは何だと思いますか?

吉村さん:
20~30代の女性はまだまだポテンシャルがあるのに、自分に何ができるか、まだ模索している方が多いかもしれません。自治体と一緒にプログラムを作るとか、会社以外の居場所を作る機会があるといいですよね。自分が貢献できることがたくさんあり、喜んでもらえることを体感してほしいです。
伊能さん:
地元の女性って、都会に出て戻らない方も多いですよね。地元には男性ばかり、シニアも多く、価値観を変えることが難しいと感じてしまうのかもしれません。都会で働いている女性と接する機会が増えれば、新しい化学反応、というか何らかの風を吹かせられるかも。地方の女性も、都会で経験を積んだ女性と一緒にモノゴトを進めて行くことで、新たな学びがあるかもしれません。都会で働く女性にとっても、自社に籍を置きながら全く別の経験ができるわけで、次のステップに進むための経験値も高まります。
代さん:
インターンシップ先の(宮城県)丸森町で、自分の想いを1 分間で伝えるというコンテストのコメンテーターを経験させていただいた際、起業に関して発表する参加者の方が多々いらっしゃいました。人口の多少を問わず、起業の意思を持っている方は居ると改めて気づかされました。そういう方々は全国にいるはずで、都会からのインターンシップ生と触れ合うことは、お互いにとって刺激になると思います。

伊能さん:
商品開発をする上でも、知見は多い方が良い。イノベーションを起こすには、インターンシップはとても有効な制度だと思います。毎日忙しく過ごしていると、つい与えられた場所で与えられた仕事を続けてしまいがち。でも今は自分の足で立つ時代。一歩踏み出すことは重要ですが、ゼロからでは難しい。だからこそのインターンシップ。誰かと一緒に、自分に何ができるかを試すことできるプログラムの意義は大きいですよね。

最後に、インターンシップに対する思いをもう一度きかせてください

代さん:
これまで何度も転職をしてきましたが、もっと早く(インターンシップを)経験していたら、こんなに寄り道をしなくてよかったかも(笑)。

伊能さん:
昔は勤めていた会社を辞めたら「裏切り者」と思われた時代です(笑)。今は会社に在籍しながら「寄り道」してパラレルキャリアが経験できる、良い時代になりました。こうした環境変化を利用するかしないかは自分次第です。経験をシェアすることも大事で、横のつながりが増えるのも楽しいですよね。

卒業生3人の共通見解:
セカンドキャリア塾は、前向きにチャレンジしようという方々の集まりだったので、ワークも含めて良い経験でした。インターンシップは自分の中の新しい扉を開けてくれたと感じています。

当日はメディアの取材も入り、ちょっとした撮影会のように…

以上、セカンドキャリア塾をきっかけに新たな一歩を踏み出し、それぞれの輝ける場所を見つけた卒業生3人と、均等法第一世代女性特有の力強さとしなやかさを備えた伊能さん、燻りがちなミドルシニアの介在価値をいち早く見出し、再活性化させるプロフェッショナルの弊社代表大桃による、和気藹々&意気揚々の女子会トーク座談会は終了しました。
この後は、会場となったオフィスの素敵な中庭で記念撮影。
今後はアルムナイイベントとして、お互いのインターンシップ先を見学に行ったり、オトナの修学旅行みたいな企画もしてみたいという話で盛り上がりました。

最後になりましたが、この日の取材に立ち会った私が一番印象に残ったのは、
「今は、置かれた場所で咲きなさい、の時代ではなく、咲く場所は自分で選ぶ時代」
という言葉でした。私自身も思いきっての早期退職からセカンドステージに踏み出した経験があり、「自分で選ぶ」ことの重要性を体感していたからです。一歩踏み出すか踏み出さないかは自分次第ですが、せっかく選択肢が増えた多様性の時代に、挑戦しないなんてもったいないですよね。
この日のキラキラした皆さんの様子に触れ、そんな思いを新たにしました。

皆さんも是非、自分発見のワーク+新たな人生の扉を開くインターンシップ研修が体験できる「セカンドキャリア塾」に参加してみませんか?                                   (DfE 徳留祐子)