"異世代協働"がもたらす新風:青森のベンチャーと50代プロボノ人材の成果 /A-Ventures株式会社

青森市で中小企業の伴走支援を行う、A-Ventures株式会社。代表取締役の畑井さんは40代50代ミドルシニアのインターンシップの話を聞いて、「地元青森の企業に山のようにニーズがある」と感じ、「まずは自社でやってみよう」と受入を即決されました。 

創業3年目を迎えるA-Venturesは、20代30代メンバーが中心。リモートワークを取り入れ、柔軟な働き方を推進しながら、10名規模に急拡大しており、40代50代のメンバーはゼロという環境でした。 

参画されたのは、大手製薬メーカーで長年人事の経験を積んだ、山本知子さん(50代)。居住地も、キャリアも、働き方も、年代も全く違うプロボノ人材と、フルリモート・1ヶ月間の協働から、何が得られたのか。畑井さんにお話を伺いました。 

目の前の課題が、プロボノ活動のテーマに 

10名規模となり、今まで「やってみて覚えて」とOJTで育ててきたやり方から、早期にキャッチアップして力を発揮してもらう仕組みが必要だと感じていました。ちょうど、バックオフィスに新規メンバーが入る1週間前で「何とかしなければ」と思っていたところに、山本さんとの出会いがあり、ご縁を感じましたね。 

通常、プロボノ期間は2ヶ月間と聞いていましたが、ちょうど新しいメンバーが入るタイミングでしたので、山本さんとの最初の面談でお互いの事情を調整し、1ヶ月でオンボーディングプロセスを構築することが決まりました。 

アウトプットに驚いた 

オンボーディングの仕組みは、「実際に担当するメンバーに入ってもらった方がいいものが出来る」と考え、2名のスタッフと山本さんでチームを組んで進めてもらいました。正直、アウトプットには驚きましたね。私が入ってやるよりも、いいものが出来たと思います。笑 

(写真:山本さんのアドバイスで、最初に取組んだブレスト)

日常業務に加えての活動だったので、1ヶ月という短期間で仕上げるのはハードルが高いと想定していましたが、仕上がりは想像以上でした。「1ヶ月後に一人立ちする」というオンボーディング後の目指す状態が決まり、いつ・誰が・何を伝えるか、が整理されて資料に落とし込まれており、素直にすごいなと思いました。 

上手く行ったのはなぜだと考えていますか? 

早い段階で、当社メンバーと山本さんでいい関係が築けたことが大きいと思います。当社はリモートワーク中心のため、社内のコミュニケーションはチャットツール(Slack)が基本となるのですが、山本さんは初めてのツールでも、抵抗なくチャレンジして下さいました。リモートワークだと、意識して関係を作っていかないと、ビジネスライクなまま進んでしまうのですが、例えばスタンプでの反応や、あだ名で呼び合うといった当社のカルチャーに、山本さんも上手く乗っかって下さったと思います。 

(写真:A-Venturesのバーチャルオフィス)

当社自身も、普段お客様である地元の企業に「社外の人間ですが、メンバーの一員として関わらせてください」とお願いして伴走しています。今回は自分たちが受入側でしたが、普段お願いしていることを、自然に自分たちで実践出来たのかなと思います。 

言語化による新しい発見 

お話をお聞きする中で、参画したメンバーからは、「言語化してみて、自分が知っているつもりだったことが凄くよく分かった」とのコメントも。急成長してきた会社だからこそ、大枠は分かっていても、改めて1つずつ整理し、書き出していくことでの気づきがあったと言います。実際にポストイットに書き出した時は、どんどんやるべきことが出てきて、びっくりしたそう。 

オンボーディングプロセスの構築は完了しましたが、次は、山本さんが、リアルで青森への訪問を検討中だそうです。今後の取組みについても、人事労務面での仕組み作りや、整理すべきことのアイデアが早速出ていました。山本さんの繁忙期が落ち着いたタイミングで、次のプロジェクトが始まるとお聞きし、今後の関わりがますます楽しみです。 


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