かつて抱いた「教育」への想いが再燃。30年越しで可能性が見い出せたインターンシップ体験/15期生 中尾弘文さん (総合化学メーカー勤務)

総合化学メーカーで勤務歴30年超のキャリアを持つ中尾さん。学生時代は理科の教員を目指し、教員免許もお持ちでした。ご縁あって今の会社に就職、現在に至りますが、セカンドキャリアを考える年代となり、自身に「教え育てることへの心残り」があったことを自覚されたそうです。そんな想いで臨んだインターンシップ、どんな成果が得られたのでしょうか。詳しいお話を伺いました。
※上記写真はうらほろツアーのメンバーと(向かって左端が中尾さん)
セカンドキャリアを意識し、再燃した「教育」への想い
私の年代になると、会社から「セカンドキャリアを真剣に考えること」を促す説明会やセミナーが度々開催されるようになります。これをきっかけに、自分はこれから何ができるのか、何かアクションを起こしたいと思うようになりました。そんなとき、旧知の後輩からこのプログラムの話を聞き、興味を持ちました。
特長的だと思ったのは、オンラインでの自己分析型ワークショップに加え、オンラインでのインターンシップ体験がセットされていたことです。
ワークショップについては、これまでも同様な経験はありましたが、こちらではより専門的に深掘りされていくので、自分では気づけないことにも気づかせてもらうことができました。そうして臨んだインターンシッププログラムには、最初からとても期待感がありました。
「十勝うらほろ樂舎」での企画立案ミッション
インターンシップ先は、北海道浦幌町にある「十勝うらほろ樂舎」。DfEさんからいくつかインターンシップ先の候補を頂き、その中で「教育に興味のある方」というKeyWordでこちらに決めました。(インターンシップ募集内容はこちら)
「十勝うらほろ樂舎」さんは町から高校がなくなったことをきっかけに、地域で子どもたちを育む「うらほろスタイル教育」という理念のもと、「うらほろ留学」という企画の構想に携わっている団体です。私のミッションは、その内一つのコンテンツ候補となる「セカンドキャリア留学」のプログラム作りとマーケティングでした。どんな人をターゲットに、どんなプログラムを提供すればよいか、自身でペルソナを作りながら考えました。
進め方としては、2か月間で4回ほどの打ち合わせで取組むことを初回に取り決めました。先方のご担当者とオンラインでの打合せを3回実施し、4回目は現地浦幌に1泊2日で出向いて、リアルな打合せを行いました。浦幌では、十勝うらほろ樂舎さん主催の浦幌ツアーに参加し、小中一貫で「うらほろスタイル教育」を受けた中学3年生の1年間の成果発表会を見学したり、その後の懇親会では町の皆さんと実際に交流することもできました。
インターンシップ2ヶ月間の取組みの成果として、セカンドキャリアを目指す大人に向けたプログラム案を纏めました。1回の打合せで7~8枚程度のパワーポイント資料にしたものが計4回分、全40ページほどのボリュームになりました。うらほろ樂舎の皆さんから「この資料を基に関係者に説明します」と言われ、このプログラムの実現に多少とも貢献できたようでとても嬉しかったです。

浦幌では中学生の成果発表会を見学
「先生」ではなく「支える側」へ。30年越しの夢が新たな形に膨らんで
学生時代は、教員を目指していました。教育に興味があり、教育実習も経験して、「理科」の教員免許も取得しています。卒業後はその道には進まず、現在の会社に勤めることになったわけですが、この歳になって自分の中に教育に対する一種「心残り」のようなものがくすぶっていることに気づきました。
これからは教育という分野に関わることで、かつてお世話になった地元の先生にも恩返しができる、地元の活性化にも貢献できるかもしれない、と思うようになったのです。
とはいえ、教職を取得してから30年以上、経験も実績も無い私が今さら教師になれるとは思っていません。それでも、教える先生たちをサポートすることや、何らかの仕組みを作るという形で支えることはできるかもしれない...。そう考えてインターンシップに臨んだのですが、うらほろ樂舎とのインターンシップ体験を通して、教育に関わりたいというかつての夢を「実現できるかも」と思えるまで、大きく膨らませることができました。
時間調整と会議の進め方を工夫して
うらほろ樂舎とのオンライン会議は、本業に支障が出ないよう、平日終業後の19:30~や20:30~に設定しました。企画内容を考えたり、資料を作成するのはもっぱら平日夜間、もしくは週末の午後に充てていました。2回目以降の打合せでは、冒頭に必ず前回の振り返りを行い、方向性にズレがないか確認しました。そうすると互いの行き違いがなくなり、対話はスムーズに進みました。
限られた時間の中、私も十分な情報提供ができたわけではありませんが、このミッションに正解は無いですし、プレッシャーを感じることなく楽しみながら取り組むことができました。
「キャリアの出口」を見いだせるインターンシップ体験
インターンシップは本当に体験してよかったです。今回のマッチング先からは、「教育に興味のある人を是非!」というご要望があったので、私を紹介して頂きました。
このうらほろ樂舎さんとの出会いを通して、私は「先生」になれなくても、「教育を支援する立場」で新たなチャレンジができるかもしれないと確信しました。 自分のやりたいこと、出来ることを改めて認識したことで、「キャリアの出口」を見つけだせたような気がします。
このプログラムは、インターンシップによる体験が肝です。新たな出会いや気づきが予想以上にあるので、是非、体験されることをお薦めします。

充実した浦幌滞在での交流の一コマ




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