22年間勤務した会社から卒業し新しい一歩を踏み出します/1期生 宮寺さん
セカンドキャリア塾では、参加者の方に地方企業でのインターンシップの機会を提供しています。実践から次のステージに踏み出された皆さんの「セカンドキャリアの最初の一歩」をご紹介します。
今回は、セカンドキャリア塾1期生の宮寺さんにお話を伺いました。
宮寺さんは参加される前から北海道・十勝が大好きな、とかち熱中小学校の5期生徒さんです(現在3年生)。新卒から同じ会社で仕事を続けられ、十勝と東京をつなぐお仕事をしたいと考えていたタイミングで、セカンドキャリア塾にご参加いただきました。
参加の背景や、これからのセカンドキャリアについて、当社代表の大桃と取締役の北村がインタビュアーとしてお聞きしました。
セカンドキャリア塾に参加しようと思ったきっかけは何ですか?
2018年頃から熱中小学校に通い始め、コロナ前は毎月十勝に通っていました。地域の人々の温かさに触れる中で、十勝と東京をつなぐ何かをしたいと思いつつ、何から始めればよいかわかりませんでした。思いだけがどんどん積もっていく中、自らのキャリアは1社での経験しかなく、自分にどんなことができるのか、何から着手したらよいのか具体的なイメージが湧かずにもやもやしていたのです。そんなとき、セカンドキャリア塾を見つけ、ここで新しい一歩が踏み出せるきっかけになるのではないかと思い、参加しました。
十勝の魅力はどんなところだと感じていますか?
初めて旅行で訪れたとき、帯広神社に向かおうと近くまで行くはずのバスに乗り、終点で降りてバスの運転手さんに神社までの行き方を尋ねたんですよね。運転手さんからの一言は「え?結構遠いよ。これから車庫に戻るから乗せて行ってあげるよ。」東京ではあり得ない温かさを感じ、その後も地元の皆さんの温かさを感じた場面が何度もありました。旅行は大好きであちこち行きましたが、知らない人に対しても親切でウェルカムな雰囲気が、他の地域と大きく違うと感じます。その他にも食の豊かさ、空の広さや青さ、沢山のことにズキュンときてしまいました。
―東京から十勝の熱中小学校に通い続けたのは、なぜですか?
毎回の授業が楽しみでした。現地では授業だけでなく、授業後の懇親会での先生や地元の皆さんとの会話も楽しかったです。中でも、一次産業の方と触れ合う機会はこれまでの人生でほとんど無かったので、とても新鮮でした。土日に1泊して参加することが多かったのですが、地元の農家さんが「うちの畑を見に来るかい?」と声をかけてくださるなど、授業以外でも貴重な体験をさせていただき、ますます十勝が好きになりました。
セカンドキャリア塾の感想を教えて下さい。
セカンドキャリア塾は、普段だったら話す機会がないような年代の方や、さまざまな地域・職業の方と出会えるのが面白いと思いました。一つの会社にいるだけでは経験できないことがあるな、と。新たな一歩を踏み出そうとしている人たちと深い話をしながら、お互いの長所や得意分野を見直すのが楽しかったです。
セカンドキャリア塾の予習課題の中で、自分の関係者との距離感を「家族」「職場」「学生時代」「その他」に分けてマッピングしたのですが、「その他」にいる人が多かったことに驚きました。ここ数年で知り合った熱中小学校の関係者が非常に近い距離にいることもわかり、会社以外のつながりを広げることができたと気付けたことが、その後の一歩を踏み出す自信につながりました。また、自分自身をどう名乗るかを考える授業も面白く、何が得意か、何ができるかを見直すきっかけになりました。
セカンドキャリア塾のメンバーはとても個性的で、オンラインでのワークショップが楽しかったです。同じサービス業界で働くメンバーと情報交換をしたり、他のメンバーのインターンシップ先の方ともつながったりと、想いを語り合える仲間が熱中小学校以外にもできたのが嬉しいですね。初めて顔を合わせたときにはお互いに緊張もあり、この先どうなるんだろうと不安でしたが、回を重ねるごとに距離が縮まっていきました。正直、ここまで仲良くなるとは思っていませんでした(笑)。プログラム期間中、メンバーに直接会う機会は最後までなかったのですが、コロナ禍だからこそ、オンラインでの結びつきが強くなったのかもしれません。
宮寺さんが見つけた「セカンドキャリア」を教えて下さい。
22年間勤務した会社を3月に卒業し、5月の連休明けから一般社団法人 十勝うらほろ学舎で広報担当として働くことになりました。給付金だけに頼らず、いずれは自活できる団体となれるよう、広報の面でサポートしていきたいと思っています。浦幌町には魅力的な方々が集まっているので、働くのが非常に楽しみです。
ここに至るまでに感じたのは、自分のやりたいことを周りに伝えていくこと、アピールすることは非常に大切だな、ということです。十勝に関わる仕事がしたい、という思いを伝えてきたことでたくさんの方が声をかけてくれて、次につながったのではないかな、と感じています。セカンドキャリア塾での自分自身の振り返りも背中を押してくれたと思いますし、いろんなご縁があって、このタイミングになったのだと思います。
―コロナ禍での退職に不安はありませんでしたか?
不安はありましたが、北村さんの一言が背中を押してくれました。日本の社会は大人が挑戦して失敗することは許されない雰囲気がありますが、「コロナ禍の今は何が正解か誰も分からないから、大人が失敗しても大丈夫!」とおっしゃっていたことが響きました。挑戦して失敗しても、新たに別のことをやればいいや、と勇気づけられ、思い切って行動できました。
―あっという間に浦幌でのお仕事が決まりましたね。退職を決めるまでは怖いし不安だったと思いますが、決めた後、2歩目、3歩目は自然と出るようになりますね。
本当にそうだと思います。もともと前職の仕事も仲間も好きだったので、辞めることを申し訳なく思う気持ちもありましたが、それ以上に、今までとは違う、自分がより貢献できることをやりたい、という気持ちで決断しました。その結果、今までもやもやと悩んでいたものを肩から降ろせた気がします。
―宮寺さんの決断には心が震えましたし、自分も頑張りたいなと思いました!
いろいろな方からの期待に応えたいという気持ちが、良い意味でのプレッシャーになっています。広報は未経験の仕事ではありますが、浦幌に「来てくれて良かった」と思ってもらえるような仕事をしたいですし、自分だけでは答えが出ないようなことは、熱中小学校やセカンドキャリア塾の仲間からもアドバイスをもらって考えていきたいと思っています。
最後にセカンドキャリアに悩んでいる方に向けて、一言メッセージをお願いします。
セカンドキャリア塾は、セカンドキャリアを見つけたい人だけではなく、新しい出会いや新しい視点を求めている人にもぴったりな場所だと思います。自分の視野を広げるという意味でも効果的だと思いますし、私自身とても楽しく学び、自分自身について考える機会になりました。これからもここで出会った仲間とつながっていけることがとても楽しみです。
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