「お金を稼ぐこと」だけに価値を置く生き方や考え方を手放したい!/11期生 山田靖さん(仮名)

大手ITサービス会社に勤務する山田靖さん(仮名)は、60歳を過ぎてなお第一線で活躍、海外出張もバリバリこなすビジネスパーソンです。現在の職場には70歳近くでもまだまだ現役という方もいらっしゃり、年齢でキャリアの幅が狭められると感じることはないそうです。
そんな羨ましい環境にありながら、なぜこのプログラムに参加を希望されたのか?大いなる興味を持って、山田さんに詳しいお話を伺いました。
(※上記写真は、山田靖さん(仮名)ご本人のスナップ)
「お金」ではないところで、自らのキャリアについて考えたい
実際のところ、今の仕事に飽きちゃったんです。そう言うと、なんだか不遜に思われるかもしれませんが(笑)、この仕事はもうずっと続けているので、正直2~3割のチカラでやれてしまう業務を常に200個くらい抱えているように感じています。もう60歳を過ぎたので、そろそろ「お金を稼ぐこと」自体から離れて、「自分のキャリアを見つめなおしたい」と考えるようになりました。そこでネット検索をしたり、いろいろ探してみたところ、セカンドキャリア塾を見つけました。
他にも同様なことを提供する会はあったのですが、こちらのプログラムでは、インタラクティブなワークショップが用意されていたのが魅力でした。すぐに説明会に参加し、代表の大桃さんの説明を聞いて、とてもポジティブなエネルギーを感じたのも入塾を決めた理由の一つです。日頃の生活では出会えない、他業界の方々と一緒に学び、話をする機会があるというのも楽しみでした。
1500年の歴史を誇る和紙文化の販路拡大を目指して
多様なメンバーの方々とのワークショップを経て、私にマッチング頂いたインターン先は、福井県の株式会社山岸和紙店。
70年以上前に紙問屋として創業され、現在では越前和紙全般を扱う商社を営まれています。私に求められた役割は、長い歴史があり、独自の高い技術を有する日本の伝統産業のマーケットを如何にして広げていくか、一緒に考えること。具体的には海外展開の手法について、3代目である代表の山岸さんと議論を重ねることでした。まずは和紙を’Japanese paper’ではなく、’WA-SHI’としてブランディングすることにして、ターゲットとなるコミュニティや販売ルート、展示会等についても模索していきました。

~山岸和紙店PBサイト「sogoro」より

~山岸和紙店PBサイト「sogoro」より
具体的には毎週1回1時間、山岸さんとブレインストーミングの時間をもちました。海外展開に向けてはそれなりの投資が必要になるので、現状の課題を整理し、リターンの考え方=KPIも明確にしていきます。改めてJETROの具体的な活用法についてもご提案しました。
一方、海外展開だけでなく、国内での新規展開の在り方も含めて、山岸さんには自社のSWOT分析もお願いしました。こうして少しずつでも協議を重ねることで、山岸和紙店の譲れない価値観が見えてきました。
大変だったことがあるとすれば、週に1回とはいえ、日々ご多忙な代表の山岸さんと私の予定を調整することでした。それでも毎週協議を重ね、明確になった課題をひとつひとつクリアにしながら、販路拡大の可能性を検討する過程は、私にとっても新鮮な体験でした。山岸さんにも、私のように目先の違う人間とまっさらな環境で議論する時間が、何らかの刺激と今後のヒントに繋がったと感じて頂けたら嬉しいです。


「人」にフォーカスした方法で、問題解決に伴走
今回の経験を通して、課題や悩みを抱えている会社や経営者の方は案外多いのではないかと思いました。私のしたことは、代表の話をきき、壁打ち相手を務めただけです。それでも、いろいろな選択肢がある中で何を選び取り、どのように進めていくかを共に考える「伴走役」には、一定のニーズがありそうです。コーチングのセッションと同様、「人にフォーカスした支援」の重要性を感じています。
私は本職で、日本企業の海外支店におけるビジネスプロセスを、本国と同等にするためのコンサルティングと実務を担当しています。この経験値を、今度は「人」にフォーカスし、伴走することでお役に立ってみたい。物質的な価値観から離れ、人がその人らしさを最大限発揮できるように導いていくお手伝いがしたい。そう思うようになりました。
幸い、今回のインターンシップでは、特に苦労と感じたことはありませんでした。ただ、これが対価の発生する業務であれば、もっとプレッシャーを感じていたかもしれません。プロボノという立場だからこそ、気負いなく、自分らしいやり方で自由に提案させて頂けたのだと思います。今回のインターンシップ体験は一旦終了していますが、今後も可能な範囲で伴走をさせて頂く予定です。
既成概念や思い込みを取り払ってチャレンジを!
今、入塾を迷っている方に私からアドバイスできるとしたら、ここにはいろいろな機会=チャンスが用意されているので、一切の既成概念や先入観を取りはらって挑戦してみませんか?ということです。素のままの自分で、何ごとも楽しんでやることが大事ではないでしょうか。それができるのも、プロボノの強みです。
一歩踏み出せば、新たな自分の可能性にも気づくことができるかもしれません。