岡田さんは一緒に課題を考え、取組む”伴走者”/ (株)BRIDGE the gap代表取締役 青野雄介さん

宮崎県小林市で地域商社を展開する、 (株)BRIDGE the gapの青野さんは、外部人材を活用する仕組みを今後、小林市に広げていきたいという想いのもと、まずその入り口として自社でミドルシニアのインターンシップを受け入れることを決めました。

今までも副業人材を活用したことはあったものの、全て人づての紹介であり、自社ネットワーク外から参画してもらうことは初めてでした。そんな青野さんの“伴走者”となったのが、複数の銀行でキャリアを積まれてきた、セカンドキャリア塾4期生の岡田さん(50代男性、埼玉在住)です。

依頼したインターンシップ業務は、資金調達のための事業計画作成の伴走。オンラインで岡田さんと毎週打ち合わせをしながら、銀行に提出する事業計画を共に作成していきました。「理想を言えば、岡田さんに今後、小林市中小企業のCFO(最高財務責任者)になってほしい」と語る青野さんにインターンシップの感想を伺いました。

最初は銀行の方とのコミュニケーションは全くイメージ出来なかった

(株)BRIDGE the gapは”「楽しい」が続いていく地域をつくる”をミッションとして掲げる、宮崎県小林市を拠点とする地域商社です。事業を通じて地域の活性化を実現することを目的に、コミュニティスペースやコワーキングスペースなど公共施設の委託運営、地元の食材の販売や食品加工等を事業としています。

今回のインターンシップは、新たな事業を立上げ、資金を必要としていたタイミングでした。

(※(株)BRIDGE the gapが運営しているTENAMU交流スペース)

「弊社含め、地域の中小企業は財務の専門家がおらず、私自身、自社の数字は一人でエクセルで管理する程度です。ですので、最初に銀行でのキャリア経験を持つ岡田さんのことを聞いたとき、大企業で財務を専門として働いているという方の知見に非常に興味がありました。財務に関しては、今までは自己流で何とかなっていたものの、何が正解かも全くわからない状況でやってきたので、実際に銀行の「中の人」に色々聞くことが出来るのはいい機会だと思い、インターンシップを決めました。」

「とは言えども、最初は銀行の方とのコミュニケーション自体、初めてで全くイメージ出来なかったですね。でも、本当はやっていた方が良いけれどもやっていなかったことがあれば、岡田さんから是非学びたかったですし、今までのやり方でも問題なかったのであれば、それはそれで一つの自信になるなと思いました。」

“教えてあげる”という上から目線ではなく、弊社に寄り添ってくださる姿勢が安心できた

青野さん自身、全くイメージがつかない中、始まった岡田さんとの業務。最初は手探りで打ち合わせを進めて行く中で、岡田さんの姿勢に非常に安心できたと言います。

「岡田さんは非常に低姿勢な方で、“教えてあげる”という上から目線ではなく、常に“学ばせてください”という弊社に寄り添ってくださる姿勢で来てくださいました。今後、小林市に外部人材活用の仕組みを広げていきたいと考えていますが、最初はどの企業も、“外から一体どんな人に来てもらえるのか”“上から目線で来るのではないか”等、受け入れに対して様々な不安の障壁があると思うんですね。でも、岡田さんのような方であれば、初めてこういった仕組みを使う企業も安心出来ると思いました。」

インターンシップ業務である事業計画作成は、青野さんの考えや過去のデータを岡田さんに伝え、それを岡田さんが資料に落とし込みながら、共に進めて行きました。フルリモートながら、1ヶ月あまりで事業計画書は完成し、目的である資金調達もスムーズに進んで行きました。

(インターンシップに参加した岡田さん)

岡田さんは、一緒に課題を考え、取組む”伴走者”

インターンシップが終わった今、始める前とのギャップがあったと青野さんは言います。

「報酬も発生していない中で、岡田さんが自分の時間を使って色々なことをアウトプットしてくれるのは非常に嬉しかったですね。こんな高いモチベーションでやってくれる人いるんだなと、いうのは想像以上のところがありました。そして、事あるごとに事業に共感してもらったのは心強かったですね。正直、財務はカジュアルに話すには難しい領域ではあるのですが、東京に出張に行ったときには、岡田さんと飲んで色々な話をすることが出来ました。」

「理想的には岡田さんは今後、小林市中小企業のCFOになってほしいです。課題を抱えているのは弊社だけではありませんので、市内の様々な事業者さん全般に寄り添いながら、ぜひ伴走型支援をしてほしいと思っています。

もちろん、スポットで特定の課題を解決してくれる仕組みは、国も含めて他のサービスにもありますが、地方企業にとっては、今回のように伴走型で一緒に課題を考え、答えを探していくプロセスを支援してくれる機会は実はあまりないのではないでしょうか。

そもそも課題設定が難しい。重要度が高いけど優先度が低い課題は、事業環境や会社の考え方によって、捉え方に幅がありますよね。だからこそ、少しでも正解に近づく答えを導くことを共に考え、促してくれる、岡田さんのような伴走型支援の存在が、地方企業には非常に有難い存在だと思います。

今後は今回体験したことをベースに、外部人材活用の仕組みをこの地域に広げて行く方法をもっと考えて行きたいです。また、弊社の事業成長に合わせて、岡田さんともまたタイミングを見ながら、例えば月1回来てもらって、財務資料を見ながら議論したり、数字の現実味を小林で見てもらったりすることもやってみたい。東京に出張に行くときには、また岡田さんと飲んで色々話したいですね。」


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