長年の営業経験で培ったノウハウは異業種でも活きた!キャリアのモヤモヤは新たな自信へ /10期生 井上貴洋さん(アサヒビール株式会社勤務)

新卒でアサヒビールに入社後、営業畑一筋で実績を積み上げてきた井上貴洋さん。
「今も大好き」と語る会社で、営業のプロフェッショナルとして培ったノウハウを、部下や後輩に繋いでいくポジションを希望していました。
ところが、その想いはなかなか叶わず、ここ数年モヤモヤを抱えてきたと言います。そんな時目にしたのがインターンシップ研修の募集告知。
自分の経験値が社外で通用するのか試してみたかった、と語る井上さんに詳しいお話を伺いました。

(※上記写真はセカンドキャリア同期生との一枚(井上さんは上段左から三番目)。)

40代後半から4~5年抱えてきた「モヤモヤ」が応募のきっかけ

長年今の会社に勤めてきて、今もこの会社が大好きです。その好きな会社が20年、50年、これからも持続していくには「ヒト」が大事だと考えてきました。そのために、自分が積み重ねてきた経験や知見が「人の成長」に繋がるのであれば、こんなに嬉しいことはありません。そして若手や後輩の成長には、上司と部下という関係においてこそ、より深く関わっていけると考えるようになり、営業職のマネージャーを強く希望してきました。

ところが、自分の想いと会社が配置したい人事構想の意向が合致せず、47~8歳ごろから4~5年の間、ずっとモヤモヤしていました。
さらにここ1~2年でも会社が大きく変わっていく中、会社は好きだけれど、自分の欲しい居場所は見つからないのではないか?と思い始めたのです。
かといって転職を本気で考えるとか、資格取得に励もうとかでもない、さあ、どうしようか?と思っていたところに、インターンシップ研修の公募に関する社内案内を見つけたのがきっかけです。

自分は何者か?今の会社以外で何ができるのか?自分を見つめなおす機会として

公募の告知を見た時、「セカンドキャリア」「インターンシップ」という2つのワードに心惹かれました。
自分は何者なのか?今の会社以外で何かできることはあるのか?もしかしたら、社外では通用しないかもしれない…。そんなモヤモヤを抱えた自分を見つめなおしたくて、当時の上司に承認をもらい、応募しました。

営業と営業支援という仕事を通じて、チームビルディングや人材育成が大事だという考えは強まり、自分なりに知見を広げ、情報を取り、研鑽を積んできたのですが、キャリアを考えるワークショップを経て紹介されたインターンシップ先は、業種も規模も全く異なる建設業でした。

今の会社と業界しか知らない私が外部でも通用するのか?と不安はありましたが、「戸建ての着工戸数も減っていく業界において、営業の幅を広げていくための知恵を貸してほしい。異業種大歓迎」との社長の言葉が決め手となり、一緒にやらせて頂くことになりました。
ドキドキという不安な気持ちよりも、せっかくなので知らない世界も知ってみようというワクワクが上回ったことも決断の後押しとなりました。

チーム営業と営業支援の仕事で培った経験から、幹部社員の方とのワークショップを設定

具体的には、社長と週に1回、オンラインのミーティングを行い、まずは幹部社員お二人の意識と行動を変えてほしいとの意向を伺いました。
幹部社員お二人の部下の方は、主に基礎工事や外構工事などの現場で監督業をしています。
その彼らにいきなり営業まで課すことは難しいため、社長は幹部社員お二人に彼らが営業の一歩を踏み出せるように、仕事の環境や対話の機会をお二人に作り出してほしいと望んでいました。その意向を受けて、幹部のお二人には一つのテーマ(目標)を設定し、その目標を達成するために必要なことを考えてもらうワークショップを計4回実施しました。

付箋とマトリックスを用いて、頭でフワッと考えたことを見える化し、実現に向けての具体策に絞り込むというワークショップを実施させてもらったのですが、日常業務に埋もれ、立ち止まって考える習慣のなかった幹部社員お二人に、自ら考える機会を作ることが目的でした。
最後のワークショップでは「二人が責任者になって立案してほしい」との社長からの具体的なテーマに対して、発表までしてもらいました。
ここでは自ら考えを出すことが最優先。仮に未熟なアイデアがあったとしても決して批判することなく、寧ろアイデアを出したことを称賛しながら進めるファシリテーションで、社長の目指したい姿につながるよう、丁寧に話を聴き、理解しながら、伴走してきました。

ワークショップで使用したホワイトボード

社長との仲介役・翻訳者として、自分の中の「聴く力」を再発見

社長は常々、社員に繰り返し熱い想いを伝える方ですが、少人数の会社ゆえ、個人個人が忙しく仕事をしていたり、膝を突き合わせて対話する機会がなかなか取れなかったりと、全てがしっかり伝わっているのか、やや疑問を抱くこともありました。それならば、自分が社長と社員の仲介役・翻訳者になって、社長の真意を正しく伝えたいと思うようになりました。

実はその点に一番時間をかけましたが、焦りはありませんでした。社長との打合せ内容は毎回議事録にして確認したり、資料を作ったりと、結構な手間はかかりましたが、理解と認識のズレが無いように距離を縮める時間は短くて済みました。
最初は社長のためにと思って始めたことが、「幹部二人に成長してほしい、力をつけてほしい」という社長の想いを知るにつれ、私の中のスイッチも変わっていきました。

ワークショップでは、私から「こうやったらどうでしょうか」という、こちらからの一方的な提案や発言は絶対にしないようにしていました。営業や営業支援をしていた経験から、チームビルディングや人材育成に思い入れはありましたが、誘導するのではなく、考えを引き出すことに重きをおきました。
私の経験が通用するかどうかを試すような場ではないとも考えてです。今回のインターンシップ研修のように、ひたすら聴いて相手を理解しようとする入り方を、今回ほど意識したことはありませんでした。
とにかく社長の想いがとても強かったので、何とかして幹部社員に伝えたい、自分ができる範囲の中で解釈・翻訳して伝えてたいとの一心で、私の「聴く力」も強まったようです。現職でもそうですが、私は基本的に関わった相手を「好き」になって仕事に臨んでおり、「好きになる」に加え、「聴く」ことも強まったように思います。
だからこそ、幸建様に伺うたびに、私の名前入りウェルカムボードが用意されていたのは嬉しかったですね。(インターンシップ募集内容はこちら

用意して頂いた手書きのウェルカムボード

これまでの経験や重ねてきた研鑽が自信に!

私が幹部社員のお二人と関わらせて頂くにあたり、事前に社長から「インターンシップ」という関わり方であることや、社長も外部の人の知恵を借りたい旨、伝えてもらっていました。そのため、幹部社員お二人との距離を詰めることにあまり苦心せずに済みました。

インターンシップ期間中に実施した「ワークショップ」では、これまで私が経験し、研鑽を重ねてきたことに加え、社長や幹部お二人との会話を経て、「こういうワークショップにしよう」と話しながら取り組んできました。
今の会社の中で、営業や営業支援の仕事を普通にしているだけでは経験できないことで、これまでやってきたことの自信になりました。ワークショップだけでなく、「人が成長する」「チームビルディング」も含めて。

今、伝えたいこと~自分のキャリアにモヤモヤしたら、是非一歩を踏み出して!

冒頭でお話しした通り、私はこの数年ずっとモヤモヤしていました。資格を取ったほうがいいのか、転職を考えるべきか、でも会社をだって嫌いになったわけじゃない、でも子どもたちの学費にもまだお金がかかるし…。だったらどうしたらいいんだ…?と思い悩んでいた時に、このインターンシップ研修に出会いました。

人によって事情は違うと思いますが、悩んでいるなら、一度飛び込んでみると見えてくるものはきっとあるはずです。私自身も、あ、自分は全然別のことが好きだったんだ!実は得意なことってこれだったんだ!と気づかされる瞬間がたくさんありました。自分ではわかっていなかった自分を発見できるのが、セカンドキャリア塾であり、インターンシップだと思います。

お陰様で2か月の期間終了後、今後は有償で業務委託契約を交わしたいとのオファーを頂きました。本当に嬉しかったです。この8月からは半年、1年かけて、幸建様の計画・目標達成に向けて大事な「人が育つこと・成長していくこと」に寄り添って伴走し、一緒に取り組んでいくつもりです。