セカンドキャリアの指標が見つかった「お金とモノだけでないバランスの良い人生を」/1期生 有井さん
和歌山県の「一般社団法人紀州くちくまの未来創造機構」でインターンとして、地域に密着した自転車ツーリングプランのテストマーケティングに携わった、セカンドキャリア塾1期生の有井さんにお話を伺いました。
有井さんは、大手化学メーカーで事業化研究や事業開発に携わり、現在も勤務されています。 セカンドキャリア塾に参加された背景や、キャリアプログラム・インターンシップを通して感じたこと等、当社代表の大桃がインタビュアーとしてお聞きしました。
セカンドキャリア塾に参加しようと思ったきっかけは何ですか?
研究職から、社内で順調な昇進ステップを踏み事業開発に携わるも、45歳の時、上司と合わなかったことや会社の方針により、品質保証部門に異動しました。事業開発の夢が忘れられず、社内で「自分の課題を社会の課題に繋げ、仲間を見つけて事業化を目指す」新事業開発ワークショップに参加しました。その中で、シニアの働きがい創造によって、SDGsの働きがいも経済成長も解決できることに気付きました。他社調査の中で、キャリア教育とその実践がセットになっているビジネスが見当たらないこともわかりました。
ワークショップでは会社の事業方向性と合わず提案は事業化しませんでしたが、その後も社内メンバーと事業開発を進めている中で大桃さんと知り合ったんです。セカンドキャリア塾が、自分たちの提案を具現化した事業だったので、応援したい気持ちがあったのと同時に、自分自身の今の生き方や働き方に不安があり、本格的なキャリア教育を受けたいと思ったので参加を決めました。
キャリアプログラムを受けて、どんな気付きがありましたか?
“自分の優先順位が明確になった”
自分の中で優先順位の高いものは、「家族」、「合理的なこと」、「誇り・正義」であることが明確になりました。これまでぼんやりとは気づいていましたが、言語化出来たことが大きかったです。
“自信が持てた”
言語化によって、これまでの生き方、働き方、その結果に自信が持てるようになった。
“他者へ訴えられる力が不足しているという気づき”
会社では、総合職として、研究、生産技術、事業と「何でもできるようになる」ことを目標に異動しています。元々の研究職から10年間離れたこともあり、「他者にストレートに訴えられる技術が乏しくなっている」と強く感じました。
主に感じたことはこの3つです。会社の外に出ても「ストレートに訴えられるスキル」獲得のため、リカレント教育の必要性も実感しています。また、受講生には似たようなキャリアの方もおり、サラリーマンとして人生を送るといつか同じような壁にぶつかるのだとも思えました。
インターンシップを受けての感想を教えてください。
「他者へストレートに訴えられる技術が乏しくなっている」ことから、ドンピシャというインターンシップ先が見当たらず、多くの面談を受けました。そして多数の落選…。「訴えられる技術」のある他の受講生のインターンシップ先が決まっていき焦りを感じる中、唯一採用してくれたインターンシップ先がKMICH(クミッチ)さんでした。
インターンシップ内容は、「e-BIKEアクティビティーの首都圏からの誘客“へのモニター参加による評価と提案」。参加してみて、イタリア製の高性能e-BIKEと白浜の地形を活かし、KMICHさんの手厚いおもてなしのある満足度の高いアクティビティーであると感じました。
インターンシップを通じて、地方での起業と、都会での起業の共通点や相違点を知ることができ、とても有意義でした。特に、大手企業だと先に事業があり、言ってしまえば「誰がやってもいい」「代わりは他にもいる」。対して「この人がいないと成立しない事業」だと感じました。雇用の難しさや1人n役を担うなど、大変だなと思いましたけれど、「失敗しても誰も責めない(責めても何も始まらない)」と言われたことは印象的でした。
KMICHの瀬戸さんとは、自転車を運ぶのを手伝ったりしながら、ぶっちゃけ話も出来て、本当に楽しかったです。これからも自分の思いつくことを提案したり、何かの形で繋がっていけたらいいと思っています。
プログラム全体を通して感じたことや分かったことはどんなことですか?
“人と地方に興味がある”
このプログラムは今重要とされている地方創生にも深く関わるプログラムです。地方でのインターンシップにも参加し、地方創生は地方に効率性を求めて都会化することではなく、お金とモノ以外の幸せも追求することのように感じました。
“何か仕掛けたい”
セカンドキャリア塾の卒業後も、千葉県の銚子熱中小学校に通い続けています。ここは昨年開校したばかりの新しい学校。面白いことに、待っていても何も起こらないんです。ただ通うだけなら面白くない。自分から仕掛けて、何かやりたい!
“バランスの良い人生へシフトしたい“
夫婦で話していて、2人でバリバリ働いて会社へ貢献してきたから、もう充分やったよね、という話が出るようになりました。現在の勤務先でのサラリーマン生活も最大あと10年(ひょっとしたら15年)、自分自身も効率を追求した人生から、バランスの良い人生へのシフトを実現していきたいと思いました。