最後は生まれた街に帰り、故郷に貢献しながら過ごしていきたい。そのきっかけをしっかりと掴めた/5期生 田代英治さん(62歳)

田代さんは川崎汽船株式会社から45歳の時に独立し、人事労務・組織人材開発系のコンサル会社(田代コンサルティング)を設立し、事業は順調に推移している中で62歳になった今、最後は生まれ育った故郷に貢献したいと思い、そのきっかけを作ろうと「セカンドキャリア塾」に参加されました。

インターンシップ先の萩市役所では、職員の方々と一緒に仕事をするという、滅多に得られない貴重な経験ができ、故郷に帰って貢献するというイメージをしっかりとつかむことができたと言います。

(※上記写真は萩市の企業版ふるさと納税の感謝状授与式にて市長・市役所の皆さんと。田代さんは右から二番目)

今の事業は順調だけど、長い人生、次のステップを踏み出そうとの想いが強くなる

私は45歳のときに勤めていた会社から独立して、自分の価値観で仕事をするという道を歩み始めてもう17,8年が経過し、会社の方は順調に推移しています。60歳頃からまだまだ先も長いし、現状に満足せずに次のステップにチャレンジしたいという想いが強くなっていて、それが何なのかを手探りで探している状態でした。

そんな中、私は自分の最後の仕事の場として、生まれ故郷である福岡県の直方市で貢献したいという想いが強くなっていました。

私の場合はセカンドキャリアというよりもサードキャリアですね。
自社の事業領域である人事労務・人材開発はゴールのない世界で、事業は順調でもやるべきことはまだまだあります。でもどこかで区切りをつけて新しい次のチャレンジをしたい、次のステップに向けて歩み出したいと考えていました。

 

一人で悩んでいないで、同じような想いの人たちの刺激を受けたい

そうは考えていたのですが、一人でいろいろ思い悩んでも解決策ってなかなか出てこないし、かといってやみくもに動き回っても効果もないでしょうし、そんな時間もありません。
でもこの「セカンドキャリア塾」には同じような想いの人、色んな経験をした人たちが参加してくるでしょうし、自分がこれから歩んでいく上での参考になるような気づきや刺激が得られるのではないかと期待して参加しました。

実際に参加してみて、前半のオンラインワークショップでやった自分自身のキャリアの棚卸しのようなことは、独立の際にやってはいたものの、今回は多様な方々といろんな話ができて、なるほどと思ったことや自分が忘れていたよう話もあって、とても参考になりましたし、あらためて参加した人たちとの交流は自分自身にとって価値あるものとなりました。

5期生卒業式でのワークショップの様子、左端が田代さん

インターンシップ先の山口県萩市役所企業誘致推進課で知った地方の実情と自分ができる貢献

インターンシップ先は山口県の萩市役所企業誘致推進課でした。地方への貢献を考えるうえで、最初は地方の中小企業の方と繋がっていくのがいいのかなと思いました。
でも、それならば私の現在の仕事の延長線上でも開拓できるわけで、今回、別の角度からご提案いただいた山口県萩市は福岡からも近く、小学校の修学旅行で訪れていい思い出もあり、「これはもうここしかないな」と思い参加させていただきました。

私が依頼された仕事は、萩市が企業誘致を推進していくために、東京の企業が現在どんな働き方をしていて、どんなことを考えているのか、を情報収集しレポートするものでした。

萩市も、私の故郷の直方市同様に人口減少に悩んでいて、10年以上前から新たな雇用創出として首都圏企業の誘致に取り組み、主にIT企業にターゲットを絞ってテレワークを活用してもらうという、とてもいい取り組みをしていました。
コロナ禍で働き方が大きく変わる中で、今後どういう政策をとるべきか、を検討する材料が不足していたのです。今はテレワークがかなり一般的になってきましたが、さらにその先を見据えて都市部の企業と繋がっていくことによって、新しい雇用を生み出すこともできるのではないか、と考えられていました。

萩市の取組みは先進的で凄く魅力的に思えて、私としても都市に住む地方出身者という立場で、何かしらのアドバイスができて貢献できたらいいと思いました。

小学校の修学旅行でも訪れた萩市の松陰神社にて

 

実際に萩市役所を訪問し職員の方々との交わりを通して得た、地方自治体のイメージは貴重な体験だった

実際の調査方法は、私の現在の取引先企業様を中心に、働き方についての今後の意向を聞いたり、他社でも知り合いの人事部長さんなどからもヒアリングをし、レポートにして提出しました。
まあ、3か月という短い調査期間で情報としては限られたものではありましたが、市役所の職員の方からは、提出したレポートを参考に今後対策を進めていくという言葉をいただいたので、ひとまずよかったのかなと思っています。

インターンシップは萩市役所とオンライン会議でスタートしましたが、実は期間中2回、萩市役所を実際に訪問して、レポート作成のための打合せをしたり、最終レポートの報告をしたりしました。オンラインでもできたのですが、やはり実際に現地に行ってみて体感してみないとわからないこともあると思い行ってきました。

それまでは、なんとなく役所仕事というと官僚的なイメージがあったのですが、実際にお会いした市の職員のみなさんはそんなことは全くなくて、実に素晴らしい人たちばかり。失礼ながら役所のイメージがいい意味で変わりました。

 
直方市には去年から企業版ふるさと納税をしていて、田代コンサルティングという法人の立場からそれなりの額の寄付をして、市長や市役所の方々との交流ができていたのですが、それはただ単に納税した法人というだけの関係だったわけで、今回の萩市でのインターンシップ経験を踏まえて、今後は提案して貢献する関係づくりができそうだなという感覚をつかむことができました。また、萩市にも感謝の気持ちから企業版ふるさと納税を行いました。

萩明倫学舎前にて、その見学レポートはこちら

 

インターンシップが用意されているという、自分では得難い体験はとても価値がある

「セカンドキャリア塾」の最大の価値は、前半のワークショップでの、同じ思いを抱いた方々との交流もさることながら、何と言ってもインターンシップの体験ができるということだと実感しています。

自分がそれまでまったく知らなかった世界で、とくに自治体のように自分自身でアプローチしようと思ってもそう簡単にできるものではないので、そこをご紹介いただけたというのはとても魅力的でした。私の場合、地方への貢献ということを昨年の時点から思い描いていたので、今回のインターンシップでの体験はぴったりのところだったなと思います。

私と同じようにセカンドキャリアについて考えている40代、50代の方々は、この先どうしていこうかという心の迷いや揺れる気持ちもあると思います。
でも、それって一人で考えていてもなかなか解決できないことで、結局、行動に移せなかったということになりかねない。
なのでこの塾に是非、参加してみて欲しいと思います。

そして、自分と向き合いつつ、他の参加者の人たちと会話する中で、いろんなことが見つかると思います。更に、インターンシップという素晴らしい仕組みがありますから、これを活用しない手はないと私は思っています。ぜひお薦めします。