プログラムに参加し、判断に迷いがなくなった/4期生 大塚洋一郎さん(68歳)

30年間、国家公務員としてキャリアを積まれた大塚さんは、55歳で「食と農の連携」をテーマにNPO法人を立上げ、セカンドキャリアに踏み出されました。昨年、「自分で作った作物で、人との繋がりを作りたい」との思いから、埼玉県比企郡ときがわ町と都内の2地域居住を開始。67歳での就農、というサードキャリアに踏み出されたタイミングで、当社プログラムに参加されました。 

卒業から半年経ったこの3月、ときがわ町へ本格移住され、有機の大豆・小麦・米作りと、自家栽培された作物を使った体験教室という、新たな取組を始められています。

「プログラム参加後、判断に迷いがなくなり、自分の成長が加速した。今は自分の人生を生きることが出来ている」―――そう語ってくださった大塚さんに、セカンドキャリア塾に参加した感想や現在の心境を伺いました。

 

プログラム参加動機は、漠然としていた

――セカンドキャリア塾への参加の動機は何ですか? 

参加当時は漠然としていました。農業をやる、という新しいことを始めて、事業計画は出来ていたのですが、気持ちの整理をしたかった。漠然と自分の人生を振り返ってみたいなという想いがあったのです。案内を見て、すぐに申込みを決めました。

 

人生で唯一のマイナス時期、役人を辞めた時。理由を言語化出来たことが、大発見になった。

――地方共創セカンドキャリア塾に参加して得たことはなんですか?

今まで、自分の人生は“主観的に”考えなければいけないと思っていました。しかし、この塾のキャリアプログラムで、初めて自分の人生を“客観的に”見たことがとても新鮮でした。特にライフラインチャート(※キャリアプログラム内でのワークの一つ)を書いたことは本当に役に立ちました。

ワークに取組む中で、自分の人生で、唯一のマイナス時期であった14年前の役人時代を、初めて客観的に振り返ったんですね。その当時は、ただただ「仕事が嫌で辞めたい」と思っていたのですが、「なぜ嫌なのか」を上手く説明出来ず、尚更辛かった。このワークを通じて、当時の自分は「自分の仕事が世の中の役に立っていると思えないことが嫌だったのだ」と初めて気づくことが出来ました。

そしてこの気づきから、「“自分が”世の中の役に立っていると実感できること」が、私自身にとって、最も重要だ、と腹落ちしたのです。

(写真:洪水で流された大豆をボランティアの方々と植えなおしました)

それまで、他人の評価は気にならないと言いながらも、どこかで「他人に自分がやっていることを評価されたい」という気持ちがずっと残っていたことに気づかされました。例えば、サードキャリアとして始めた農業も、SDGsとの関連を考えてみたり、企業向けの研修としても展開したらどうか、なんて思っていました。

しかしこのワークで、自分の人生を1本の線にしてみたら、他人の評価は、自分の充実感やモチベーションと全く関係ない、ということが分かったのです。それは言葉にしてみると簡単ですが、自分にとっては非常に深い気づきであり、大発見でした。この1点を持ってでも、参加して良かったと思えます。

 

――実際にプログラム参加後、どのような変化があったのですか?

今までのような迷いがなくなりましたね。プログラム参加後、仕事で判断する時には、他人軸ではなく、まず「自分が世の中に立っていると思うのか・思わないのか」というシンプルな問いで決められるようになりました。判断が早くなり、凄く身軽になった。自分の成長が加速したことを実感しています。 

 

自分のWILLを見つけるには、動いてトライ&エラーを繰り返すしかない

――今年はサードキャリアの農業も本格的に動き出したそうですね。

役人の時は国益、予算、政策といった抽象的なことばかりやってきました。役人を辞めた後は、その反動でこれからは目に見えるものを扱いたいと考え、NPOを立ち上げて、消費者と生産者・地方と都市を繋ぐ仕事をずっとやってきたのです。13年間のNPOの活動を通して、今度は、「自分で作ったもので何か出来たら面白い」と思うようになり、縁があって、埼玉県比企郡ときがわ町で、有機大豆・小麦・米作りを始めました。サードキャリアですね。 

(写真:都内のカフェで開催した味噌作り教室)

農地は湿地で水はけが悪く、周りに排水溝を掘って開墾しました。昨年は植えたばかりの大豆が豪雨で流されてしまいましたが、ボランティアの方々と植え直した結果、大豊作に恵まれたのです。自分の作った大豆が、91人もの方に渡り、味噌作り教室を開催することが出来ました。売って終わりではなく、自分が作ったもので人や社会と繋がることができる。これには満足感でいっぱいで、手応えを感じています。今、「やったぜ!」という最高の気分ですね(笑)

この先、自分の人生がどう変化していくのか、何が起きるのか、とても楽しみです。10年後にはフォースキャリアでまた違うことをしているかもしれないですね(笑) 

 

――非常に充実されている様子が大塚さんの顔からも伝わってきます。大塚さんがセカンドキャリアで大事にされてきたことは何でしょうか。

68歳を迎えた今、「人生において、自分が何をやりたいか」というWillが一番大事である、ということを実感しています。
役人時代はMUST(やらねばならないこと)とCAN(出来ること)の2つの世界が中心で、WILL(やりたいこと)は遠くに小さくあるだけでした。でも、今の私は、3つの円の重なりがどんどん同心円に近づいていると感じています。

(図:キャリアを考えるフレームワーク)

ただ、実際のところ、自分は何がやりたいのかなんて、やってみなければわかりません。私だってまさか自分が農業をやるなんて思いもしませんでした(笑)。自分のWILLを見つけるためには、人から言われてもダメだし、考えるだけでもダメ。何か一歩やったことに対して、自分の魂がどう反応するか、そのトライ&エラーしかありません。私もトライ&エラーをし続けたことで、WILLがどんどん具体的になってきました。

そして、動いていると、不安はなくなっていくんです。役人として働いていた時「年金減ったら困るな」「老後お金がなくなったらどうしよう」と思っていました。自分で動くと、何とかなる、と分かるんですね。迷ったら、まずは動くことをお勧めします。

 

自分を客観的に見ることで、自分の人生を生きることが出来ていると実感

――最後に当塾にこれから参加する人へメッセージをお願いいたします。

自分を客観的に見る作業は、本当に大事だと感じています。私のような60代の世代は、自分を言語化・客観視する経験をしたことがないのではないでしょうか。私もやるまでは正直、その価値がわかりませんでした。しかし、その作業を通じて、私は自分が一段と深まり、変化をし、自分の人生を生きることが出来ている。セカンドキャリア塾は、人生を変えるプログラムであると感じています。

長年同じ組織にいると、かつての私のように、“自分が何をしたいか=WILL”を考える機会も、それを言語化する機会もほとんどないと思います。先にも話しましたが、WILLを見つけるためには、最初の一歩を踏み出して行動し続けるしかありません。それを一人でやるとハードルがありますが、この塾ではキャリアという共通項で学び合う仲間が、背中を押してくれます。

最後に、ここで出会った仲間の存在は、今後の人生においてもすごく貴重な財産になると思います。先日参加した卒業生交流会では、期が違うメンバーともあっという間に仲良くなれました。実際に私の味噌作り教室にも、多くの卒業生の方が参加してくれて嬉しかったですね。今後、さらに卒業生の人数が増え、どんな相乗効果が生まれていくのか、非常に楽しみです。

是非、今後多くの方にセカンドキャリア塾に参加して頂きたいと思います。

 

(写真:冬の寒さに耐えてこんなに育った小麦!)


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