キャリアの迷いはそのままにしない。行動することで見えてくる世界はきっとあるはず/14期生 松香容子さん (アサヒグループ食品株式会社) 

新卒で入社したアサヒビールやそのグループ会社で、営業、秘書、広報、サスティナビリティなどの部門を中心に経験を積んできた松香さん。50代に入って感じはじめたモヤモヤしたキャリアの迷いを解消したい!との思いから、社内公募で本プログラムに応募してくださいました。

そんな松香さんに、体験後の感想を伺いました。

(※上記写真はインターンシップ先との懇親会にて)

50代になって感じ始めた小さな迷いが参加のきっかけ 

本プログラムについては、早期退職=セカンドキャリアに踏み出した会社の先輩が参加していたこともあり、以前から存在は知っていました。その先輩から話を聞いたときは、まだ自分事としては捉えていませんでしたが、「面白そうなプログラムだな」とずっと頭の片隅で意識していたように思います。その後、私も50代になって自分のキャリアに小さな迷いを感じるようになり、迷いを断ち切るきっかけになるかもしれないという思いで、思い切って参加してみることにしました。 

50代に突入して人生の折り返しを迎えたという実感を覚える中、会社はグローバル化が進んで環境も業務内容も大きく変化していきました。前述の先輩をはじめ、社内の知り合いの中にも自身の進むべき道を目指して転身していく人も出てきました。そういった状況に接し、それまで会社の目の前の仕事だけに向き合うことに何の疑いも持っていないかった私も、「このままでいいのだろうか」という小さな迷いが心の中に生じてきたのです。そんな中で目に入ったのが、本プログラムの社内公募でした。「迷ってばかりではなく、次の一歩を踏み出す自信を見つけたい」。そんな思いで応募用紙を提出し、セカンドキャリアに向けた一歩を踏み出しました。 

意外なマッチング先が与えてくれた気づき 

今回、インターンシップ先としてマッチングして頂いたのは、障害者向けの就労支援事業所です。就労支援事業所にはA型とB型の2種類があり、今回関わらせて頂いた、障がい者ワークスデザインラボ株式会社様は、障害者就労継続支援A型事業所として、厚生労働省の認可を受けています。A型事業所は、「一般企業での雇用は困難だが、雇用契約に基づく就労が可能な人」を対象とし、事業者と雇用契約を結び、給与をもらいながら働き、将来的に一般企業への就労を目指す場所です。

福祉業界についてほぼ知見のない私でしたが、求められたのは、補助金に頼らず自らの生産活動による利益を拡大するためのアイデア出し=壁打ち相手になってほしい、というものでした。基本的には週1回、1.5時間のミーティングの中でこのミッションを進めていきましたが、それ以外にも勉強会への参加などの機会も与えて頂きました。代表者はインターンシップの受け入れや人材育成にも熱心な方で、本当に得難い経験ができたと感じています。 

実はインターンシップ先の検討に際しては、一般的な企業で事業を通じて社会に貢献できるアウトプットに関われるといいなあと漠然と思っていました。サスティナビリティの部門にいたこともあり、その知見が使えるのではないかと思ったからです。ところが提案された同社は、事業そのものが福祉という社会貢献に直結するもので、自分の経験してきた領域とはまったく異なる事業体。そこで自分に何ができるのか?とても不安でしたが、代表者とオンラインで面談し、「この人のもとで働いてみたい!」と思って決断しました。そんな手探り状態で始まったインターンシップ活動でしたが、実際に活動を始めるうちに、専門知識や経験だけでなく、課題の発掘や企画立案、資料作りなど、会社で当たり前にやってきた業務や視点が思いの外役に立つことがわかりました。自分では気づけなかった強みがわかり、今後の選択肢が広がったような気がします。ずっと一つの会社にいたら、絶対に得られない学びがありました。 

本業とのバランスはリモート勤務を活用して 

インターンシップと本業と両立する上で、困ったことは殆どありませんでした。会社の公募だったこともあり、業務時間中の打合せや作業も認められていました。ただし、業務時間外に行った作業は残業の対象にはなりません。ミーティングや作業に充てる時間は、主にリモート勤務の日を活用して調整しました。
少しボリュームのある作業は週末に集中して行うなど、自分なりにスケジュールをコントロールしながら進めることができました。 

客観的な自分を知るためのワークショップ 

本プログラムは、インターンシップ体験の前段階に数回のワークショップが行われます。「今の会社とは違う世界を見てみたい」というのが参加の動機だったため、インターンシップ体験についての期待度が高く、前段階のワークショップは、当初オマケくらいにしか考えていませんでした。ところが、このワークショップでも想像以上の学びがありました。

今回同期となった、自分のことを全く知らない方々からの客観的なアドバイスやフィードバックは、既知の仲間達からは決して得られないものでした。そもそも皆さん、豊富な人生経験を積んだ方たちばかり。とても有意義な体験と交流をさせていただきました。卒業セッションでは、リアルな対面も叶い、新たな横のつながりができたのも嬉しい収穫でした。 

ワークショップでの一コマ

行動することで見えてくる世界 

今、小さなモヤモヤを抱えている方がいらしたら、とにかく、参加してみて、行動してみて、と言いたいです。 

外の世界で新しい体験がしたいと思っても、どこで何をすればいいか、なかなかわかりませんよね。自分に合う企業や団体のマッチングを実現させるのは、とてもハードルが高いと思うんです。私の場合、このプログラムでは、自分では決して選ばない、選べないような絶妙なマッチング先を見つけてもらうことができました。思いがけないマッチング先での出会いが、自分の隠れた能力やスキルに気づかせてくれるかもしれません。 

当初、迷いを解決したいと思いだけで、具体的に得たいものを描けていない状態で応募した私も、自分の強みや好きなことを広げること、行動することの大切さを実感する経験ができました。 

迷ったらまずは動いてみる。その結果、もし何も学べなかったとしても、行動したこと自体に意味がある。行動することで見えてくる世界は、きっとあると思うんです。