定年後は日米間を行き来しながら起業したいという想いを明確につかむ/7期生 藤井篤子さん

藤井さんはアメリカ生活30年。大手日系企業の米国現地法人で財務分析のお仕事をする中、定年後の起業についてずっともやもやしていた、と言います。塾の参加で手に入れたのは、日常の会社の仕事では得ることのできない、新しい人的交流のネットワーク。そこから自身の起業のイメージも明確になってきた、と話す藤井さんにお話を伺いました。 

※上記写真:インターン先メンバーとのランチ会にて。藤井さんは右から二番目

ワークショップへの参加は現地時間の午前6時から、でも早朝からハイテンション 

何年か前から、いつかは起業したいと思っていて、何度もビジネスプランを考えたりして悩んでいた時に日経BPでセカンドキャリア塾を見て、とても興味を持ったので説明会に参加して入塾を決めました。 

キャリアを考えるワークショップは日本時間の金曜日20時からですが、私は現在アメリカに住んでいて金曜日の朝6時から。毎回5時に起きて参加していました。
セッションでは予習も含めて自分自身の棚卸しがとても新鮮に感じ、自分の原点を見つめ直す機会になりました。毎回のグループワークで発表して話を聞いてもらったり、お互いにコメントすることでとてもモチベーションが上がり、朝の6時だというのにいつもテンションが高くなり、参加して本当によかったと思いました。

私が考えている起業は副業的なことで、このワークを通じてMustではなくWantsを大切にして、自分が本当に興味のあることにフォーカスしてやる方がいいと気づくことができました。 

インターンシップ先は自身の興味に合致した、女性のエンパワーメント関連のNPO法人

私は3年前から、ダラスで働く日本人女性をサポートするNPO法人Japanese Career Women運営メンバーとして、プロボノで活動をしていて、以前から働く女性のエンパワーメントの分野に興味がありました。
その背景からご紹介いただいたインターンシップ先は理系女子の育成を支援する特定非営利活動法人Waffle。Waffleでは女子中高生を対象に理系分野に興味を抱いてもらえるようなプログラムの提供をしているのですが、私はインターンシップで2つの活動に取り組みました。


一つは、プログラム運営における業務プロセスの改善に関してプロジェクトマネージャーさんのサポートをするという仕事と、もう一つは、参加した女子高生たちのアンケートを分析して、参加の前後でどれくらいのインパクトがあり何が変わったのか、をまとめ自治体やスポンサー企業に報告するレポート作成のお手伝いでした。

インターンシップは、本業で忘れていたワクワクする気持ちが湧き出て、自分が何を大切に考えているか分かった

この業務には想像以上の時間を費やしました(笑)。ですが、本業では忘れていたワクワクする気持ちが湧き出て、ミーティングや業務プロセスの理解のためにドキュメントに目を通したりと、ポジティブに関わることで自分が何を大切に考えているか、が分かりました。

業務プロセス改善に不可欠なフローチャートがなかったので、業務マニュアルを見ながら作成。担当のプロマネと週一回のミーティングでマニュアルに抜け漏れがないかを確認し、何度もリバイスしました。NPOのみなさんはスラックや便利なソフトをどんどん活用していて、とても新鮮でした。

レポートに関しては、ディレクターとの週一回のミーティングで色々とアドバイスを頂き、定性分析など大学院で勉強したことを思い出したりしながら進めました。Waffleの「女性が活躍できる社会をつくる」という趣旨に共感したこともあり、時間のやりくりは大変でしたが、参加した9月と10月は私の本業の仕事が残業もなく割と時間的な融通の利く時期だったので、とても楽しくてやりがいのある仕事でした。

(インターン先が提供する女子中高生向けプログラムの一コマ)

インターンシップ期間終了後もプロボノとしての関わりを継続することに

インターンシップでの経験で私が得た大きな価値は、NPOのみなさんとの新しいネットワークを築くことができたこと。ジェンダーギャップという問題にはとても興味がありますし、携わったお仕事も業務プロセス改善なのでその効果も見届けたいという想いもあり、いろいろな提案をさせていただいた結果、今後もしばらくプロボノベースで関わらせていただくことになりました。

11月に帰国した際にWaffleの代表、ディレクターとプロマネ3人とランチでお会いして楽しいひと時を過ごし、交流を深めることもできました。

セカンドキャリア塾での最高の収穫は「自分自身の再発見」

セカンドキャリア塾に参加してみて一番の収穫は、自分を再発見できたことで自分に対するモチベーションが上がったことです。グループワークを通じて、子供の頃はこんなふうになりたいと思っていたのだと思い出して原点に戻れたことで、潜在的に自分の中で考えている興味のあることがあぶりだされてきました。

私はアメリカに住んで30年になり、こちらに家族もいますが、やっぱり心は日本にあって、日本にも住みたかったのだなという想いが湧いてきて、自分発見のためのいいプログラムでした。

塾の同期生たちやインターンシップ先の若い方々との楽しいネットワークに刺激を受ける

このセカンドキャリア塾は、ネットワークを拡げたいと思っている人にはとてもいいプログラムだと思います。

インターンシップ先のみなさんとのネットワークもさることながら、入塾した同期のみなさんとの交流は普段の生活の中では得ることのできない体験でした。ワークショップでのディスカッションでいろいろな人の考えを聴くことができましたし、自分のことを話すことで多くの発見もありました。

私には日本でひとり暮らしをしている母がいて、遠距離介護をしながら年に何度か帰国しているのですが、こうした日本とアメリカを行き来して生活することをもともと望んでいたのだという気づきや、女性のエンパワーメントに関する興味だとか、定年後の起業に対するイメージもはっきりしてきました。

同期だけでなく、アルムナイのみなさんとはワーショップが終了した後も、Facebookなどを通じて活動の様子を知ることができて刺激を受け続けています。今後、帰国した際にアルムナイの集まりがあったらぜひ行ってみたいと思っています。

(セカンドキャリア塾の同期生と。後列左から二番目が藤井さん)