「社外では通用しない」は思い込み!50代で異業種インターンシップに挑んで見つけた新たな自信/14期生 伊藤恵美子さん (OA機器メーカー勤務)

新卒入社した会社で、長年広報・宣伝などコミュニケーション関連業務に携わってこられた伊藤さん。50歳を過ぎ、自分の行き先がある程度見えてきた時、自分らしく、長く働けるものを探したいと思うようになったことが、本プログラムへの応募に繋がりました。そんな伊藤さんに、当時の思いや本プログラムでの体験、気づきについて語って頂きました。

※上記写真は14期卒業セレモニーにて(前列向かって一番左が伊藤さん)

このままでいいの?50代で芽生えたセカンドキャリアへの探求心

現在の会社に新卒からずっと勤務しています。部門異動によりさまざまな職種を経験してきましたが、この20年ほどは広報や宣伝といったコミュニケーション部門で、いろいろな経験もさせてもらいました。
ただ、50歳を過ぎて、ある程度自分の先行きが見えてきた頃、このままでいいのかなと感じるようになりました。この先、定年延長があったとしても残り10年くらい。そう考えると、何かもっと自分らしく、長く働けるものを探したいと、いろいろなセミナーにも参加しました。

そんな時、目にした記事で、「セカンドキャリアを見つけるための支援プログラム」として、本プログラムの存在を知りました。セミナーに参加して、代表の大桃さんのお話を伺い、今の自分に必要だなと思ったのと、インターンシップにおけるマッチングのプロセスにとても魅力を感じ、応募を決めました。

マッチング先は駄菓子メーカー!企業を内側から変えるインナーブランディングを支援

インターンシップ先として紹介頂いたのは、広島県の駄菓子メーカー、株式会社すぐる様でのブランディングでした。インターンシップを始める前の事前のワークショップを通じて、私の方向性は「これまで経験してきたコミュニケーション部門での知見を活かしたい」と明確になっていたので、全くの異業種ではありましたが、抵抗はありませんでした。

まずは、同社の看板商品「ビッグカツ」のプロモーションやブランディングの支援という形でお手伝いがスタートする予定でした。ところが、大塩社長とお話しさせて頂くうちに、商品そのもののブランディングよりも、まずは「社員一人ひとりに対して、会社の理念やブランド価値を再認識してもらい、浸透させること」が先、とスコープが変わり、インナーブランディングを支援させて頂くことになりました。具体的に取り組んだことは、以下の3つです。

①社長ご自身の、会社として目指すべき方向性の言語化

社長ご自身が「どんな会社と思われたいか」、ステークホルダーやお客様、社員への想いを言語化するための「壁打ち」をご一緒しました。せっかくの社長の熱い想いが、今一つ言語ができていないと感じた私は、その都度社長に「それはこういうことですか?」と確認しながら、わかりやすい言葉にしていくプロセスをご一緒しました。

②データ分析とギャップの提示

すぐるさんがこれまで積み上げていた、商品プロモーションのための顧客調査データやレポート等の数値から読み取れることを洗い出しました。その上で、外部から思われているイメージと、自分たちはこうありたいという理想にギャップがあることがわかったので、それもご提示しました。

③実行計画の策定

そのギャップを埋めるために、3ヶ月間でどのような順で実行すべきかという計画を立て、社長とご一緒に進め方を考えました。

外でも通用する!経験を「自信」に変えたプロセス

今回の体験を通して、私が得られた最大の成果は、自分が長年培ってきた「知見」に対する自信です。日頃は会社のリソースを使って仕事をしているので、外では「つぶしがきかない」と思っていた自分の知見やスキルが、異業種の社外でも通用し、お役に立てたことは、大きな自信につながりました。社長からも毎回感謝の言葉をいただけたのも、とても励みになりました。

もう一つ、これはインターンシップ前のワークショップを通じてですが、自己認識の解像度が上がったことも収穫でした。ワークショップでは、同期の皆さんとの対話を通じて、「外から見た自分」や「同じ価値観を持った仲間との共感」を通して、自己理解を深めることができました。そうして各自の個性や特性を把握し、適切なマッチング先を見つけるために時間をかけてくださるプロセスこそ、本プログラムならではの価値だと思います。

インターンシップ体験がくれた頭の切り替え効果

インターン期間中、大塩社長と週1回・1時間のミーティング時間を捻出することに苦労はありませんでした。もちろん、事前準備や調べ物などは、終業後や休日に対応したこともありましたが。

大変だったとすれば、インターンが始まる直前に組織内での役割変更があり、非常に忙しい業務を担当することになってしまったことです。新しい業務に取り組みつつ、インターンシップも並行して進める必要があり、その時期だけは少し焦りましたね。しかし、本業で大変な状況にあっても、インターンシップとしての活動は頭の切り替えができるという意味で良い気分転換にもなり、両立自体は苦になりませんでした。

迷っている人こそ、飛び込んで

今、参加を迷っている方、特に漠然と「将来どうしようかな」「このままでいいのだろうか」と考えている人にこそ、ぜひおすすめしたいプログラムです。単なるインターンシップ先のマッチングに留まらず、その前段階にある「自分自身を知るためのワークショップ」があり、職種や年代の異なる、でも同じ志を持つ方々との交流という楽しみもあります。
共に自己理解を深め、仕事における自分のプライオリティを再認識したうえで、それぞれに適切なマッチング先を見つけてもらえるのが、本プログラム最大の魅力だと思います。私にとっても、インターンシップのハードルを良い意味で下げてもらえました。

それと、事務局スタッフの皆さんがとても良かった!ビジネスライクなところがなく、ハートフルできめ細やかな対応をしてくださるので、最後まで居心地良く修了することができました。 だからこそ、今、小さなモヤモヤを抱えている方がいらしたら、とにかく飛び込んで、行動してみて、と伝えたいです。