インターンシップはお客様の立場から自社を見る機会。/岩本亮介さん(三井住友海上火災保険株式会社・40代男性)

岩本さんは、三井住友海上火災保険株式会社に入社以来、営業畑を歩み、千葉・岐阜・新潟を経て、現在は福島支社長として仕事をされています。普段接するお客様の多くが、地場の中小企業であり、“インターンシップでお客様の中の人として、自分たちが普段やっていることがどう見えているのか、確かめてみたい”との想いで「地方創生インターンシップ研修」に参加されました。 

インターンシップ先となった、北海道でインフラ事業を営む会社からの依頼は「SDGs経営を考えるプロジェクトメンバーとして、一緒に活動して欲しい」というもの。社内メンバーに専門知識のある人がいないため、どのように活動を進めるべきか、アドバイスして欲しいという内容でした。 

岩本さんは、お客様に提供してきたSDGs取組支援の経験を活かし、プロジェクトメンバー間で基礎知識を学ぶセミナーやワークショップの企画、実施に取り組まれました。社内の様々な部署から集まった20代中心のプロジェクトメンバーとの活動を通し、「今後の業務に活かせる新たな切り口を得られた」と語ってくださった岩本さんに、参加の経緯や感想を伺いました。 

 

インターンシップでお客様の立場に入り込むことで、自分たちが普段やっていることがお客様にとって価値のあるものなのか、確かめてみたかった 

 

――インターンシップへの参加の動機は何ですか? 

普段の業務でも、地域に根差した中小企業のお客様が多く、“地方創生”は営業推進上の一つのキーワードです。今回の「地方創生インターンシップ研修」は、インターン先が全国の中小企業で、今の仕事と親和性が高い、という点から興味を持ちました。 

そして、インターンシップで、お客様の立場に入り込むことで、自分たちが普段やっていることがお客様にとってどう見えているのか、価値のあるものなのか、確かめたいと考えていました。日常業務では、お客様先で接する部門は限られ、お客様の全体像や本音を捉えることはなかなか難しい。お客様の側に立つことで初めて見えてくるものがあるのではと思い、参加を決めました。

  

――インターシップでどのような業務に取り組まれましたか? 

最初に、インターンシップ先のSDGs推進プロジェクトリーダーと話したところ、「そもそもSDGsって何か、チーム内で共通知識がない」との課題が出てきました。インターンシップの2ヶ月間の中で、プロジェクトメンバーが同じ基礎知識を持つこと、社内のSDGs取組みの方向性を決めること各メンバーの仕事とSDGsを紐づけること、をゴールに据えて、セミナーとワークショップをオンラインで実施することにしました。

普段、お客様に対して基礎知識をインプットするセミナーは実施していますが、ワークショップ開催は初めての試みでした。前々からワークショップの必要性を感じていたのですが、なかなかチャンスがなく、今回はそれを試すいい機会だと思い、挑戦することにしました。

開催まではどんな反応が得られるか少し不安でしたが、参加したみんなから「SDGsって何となくのイメージで捉えていたことがよく分かった」「自分たちの実態を基に考えることが大事なんだ」とのコメントを貰い、オンラインでも新たな気づきを感じてもらえたのは嬉しかったですね。

ちょうど感染がピークの時期で残念ながら伺うことは出来ませんでしたが、ぜひ現地に行きたかったです。 

インターンシップ先である北海道十勝の冬の風景

 

――日常業務との両立で苦労したことはありますか? 

日常業務はマネジメントが中心のため、スケジュールをある程度自分でコントロール出来、無理なく取り組めました。最初のミーティングで、インターンシップのゴール、やること、日程までほぼ決められたので、予定とおり進んでいった印象です。インターンシップに掛けた時間は、打合せ、資料作成やアンケートの纏めなど、月4〜6時間程でした。 

 

一番の収穫は、若手メンバーとの対話から、「地元のために」という感覚を掴めたこと 

 

――インターン業務に取り組んでみて新たな気づきはありましたか? 

プロジェクトグループは、20代の若い社員を中心に、様々な部署からメンバーが集まっていて、設備の担当者もいれば、管理系の仕事をしているメンバーもいる。一番の収穫は、、同じプロジェクトメンバーとして、率直な意見が聞け、様々な価値観に触れられたことです。 

インターン先のメンバーはほぼ地元出身者。自分自身は東京出身で、入社以来、地方で仕事をしていますが、「地元に残り、地元の会社で、地元のために仕事をする」彼らの感覚が、正直ピンと来ていませんでした。プロジェクトでの対話を通して、例えば「地域の独居老人のために自社が出来ることがあるんじゃないか」といったアイデアが出るなど、会話の端々から、彼らは地元が好きだからこそ地元に残り、地元への想いがあって仕事をしていること、これを、実感を持って理解することが出来ました。この想いが地域の力となるような、新しい提案が出来る可能性を感じています。 

例えば、私は日常業務で地方自治体との接点がありますが、どこの自治体にも共通する課題は、人口減少。特に、若い人が大学進学で地域を離れると戻って来ないことです。この解決のためにUターンに取組む自治体は多いのですが、これからはもっと小さい頃から地元愛を育むような施策が必要になると強く感じました。小中高生に向けた施策を充実させ、地元愛を育んでいく、その方が中長期では費用対効果が高くなるのではないか、と今回のインターンを通して気づかされましたね。 

なかなか日常業務ではお客様の施策の背景にある、根本的な考えや地元に対する想いを深く突っ込んで聞いたり考えたりする機会がなかったのですが、今回の経験を活かして、新たな視点やアプローチで地域支援に取り組んでいきたいと思っています。また、自分たちの活動をもっとしっかり発信していくことで、地元を愛する人たちに我々の存在意義や想いを届けていきたいです。 

 

インターンシップは社外カルチャーを感じられるいい機会。年齢に関わらず是非チャレンジをして頂きたい。 

 

―――これからインターンシップにチャレンジする人に伝えたいことはありますか? 

インターンシップは社外カルチャーを感じられるすごくいい機会だと思います。研修という枠組みの中で社外に飛び込んで、新たな視点を学ぶことが出来ます。今回のように、プロジェクトチームに入るといった内容であれば、若手でも無理なく出来ると思います。そして、地方創生は営業推進のキーワードの一つ。違った視点からお客様を見れる機会は、年齢に関わらず、是非チャレンジして欲しいですね。


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